食品機械と一般的な機械の違いについてまとめました。
1,加工部品はオールステンレス
一般的(水洗いしない)機械は炭素鋼やアルミニウムを使用しますが、食品機械では基本的にステンレスを使用します。摺動部など一部に樹脂を使用しますが基本的にSUS304を指示しておけば問題ないでしょう。
機械内部は水に濡れないからと言ってステンレスを使わずコストカットするのはおススメできません。いくら完璧な防水構造がとれたとしても経年劣化で内部に水が浸入したり、結露が原因で機械内部が腐食するからです。特に食品機械という少量生産の機械ではそこまで価格的メリットはありません。(原価が厳しいなら別ですが)
最近は購入品(ミスミ等)でもステンレス製品のラインナップが増えているのでオールステンレスの機械は作りやすくなっていると言えるでしょう。
ちなみにSUS304以外のステンレスは使いません。機械の洗浄、水すすぎをきちんとするので304以上の耐食性は必要ないからです。
2,モーター等電機部品は露出させない
当たり前ですが防水構造でない電機部品に水をかけるとショートし壊れます。制御盤はもちろんモーター、電磁弁等もカバーをするかフレーム内に収めましょう。駆動軸はオイルシールを介しフレーム内でモーターに接続します。フレーム内は結露防止のため除湿機やファンを設置します。
防水仕様のモーターがありますが塗装や表面処理仕上げのものは露出させてはいけません。ショートはしませんが洗浄剤や水でぼろぼろに腐食して食品にとって大問題の異物混入に繋がります。
電機部品では無いですがグリスアップが必要なリニアガイドやボールねじもカバー内に入れラビリンス構造のユニットを構成します。私は食品機械の設計で市販の直動ユニットは使用したことがありません。
3,ネジは極力見せない
これは見た目の問題もありますがネジが機械表面に無いことは洗浄しやすさにつながります。自動車はボディにネジはなく洗車しやすいですが、ルーフレール等装備があれば洗浄しにくさが増えるのと同じです。極力ネジは使用せずに溶接構造にしましょう。
どうしてもネジを使用する場合は六角ボルトを使用します。六角穴付ボルトは六角穴に水が入るのでNGです。
以上、他にも細かい違いはありますが代表的な3つを記しました。
ご参考になれば幸いです。